インターネットの手続きや、新しく光回線を検討しているときによく耳にするのが、IPv4やIPv6という用語。
このIPv4とIPv6にはどのような違いがあるのでしょうか。
この違いを理解していないと、新しくインターネットに接続したら、通信速度が落ちてしまったなんてことになりかねません。
今回は、インターネットの接続規格、IPv4とIPv6の違いについて解説していきます。
IPv4とIPv6の違いとは何か?
IPv4とIPv6はどちらもインターネットの接続規格の名称です。
IPとはInternet Protocol(インターネットプロトコル)のこと。つまり、インターネットに接続するときの手順や決まりなどを表しているのです。
IPv4とIPv6は接続方式が異なるため、通信速度や、アクセスできるサイトに違いが生じます。
次に、IPv4とIPv6のそれぞれの特徴と違いについて解説していきます。
IPv4の特徴
IPv4はIPの1種で、約43億個のIPアドレスを割り当てることができます。
43億ときくと、十分な数のように思いますが、世界の人口が78億人なので、これでは全員にIPアドレスを割り当てることができません。
実際、IPv4で与えられるIPアドレスは不足していてきています。このアドレス不足を解消するために誕生したのがIPv6です。
IPv6の特徴
IPv6では約340澗(かん)個のIPアドレスを割り当てることができます。
この数字は340兆の1兆倍の1兆倍となり、ほぼ無限といっても良い数値です。このIPv6アドレスが採用されることにより、IPアドレス不足が解消しました。
さらにIPv6の登場で、パソコンだけではなく、スマートフォンや家電など、さまざまな機器にIPアドレスを割り当てることが可能となったのです。
IPv4とIPv6の違い
IPv4とIPv6には割り当てられるIPアドレスの数以外にも、さまざまな違いがあります。
表にまとめましたので、ご覧ください。
▼IPv4とIPv6の比較
| IPv4 | IPv6 | |
| bit数 | 32個 | 128個 |
| 回線速度 | 低下することがある | 速い傾向にある (回線の混雑がおこりにくい) |
| 割り当てられる数 | 1～32 | 制限なし |
| 接続方式 | PPPoE | IPoE |
IPv6だからといって必ずしもIPv4よりも回線速度が速いとは言い切れませんが、回線の混雑が起こりにくいという理由から、通信が安定しやすく、速い傾向にあります。
割り当てられる数もIPv4とIPv6には大きな差が。IPv4の場合は、個人で1〜4個、法人でも8〜32個のIPアドレスを割り当てることができます。
一方、IPv6は制限なく大量の通信機器にIPアドレスを割り当てることができるのです。
また、接続方式にも違いがあります。次に、IPv4とIPv6の接続方式、PPPoE とIPoEの違いについて解説していきます。
PPPoE とIPoEの違い
PPPoEとIPoEはどちらも接続方式の名称です。PPPoEは従来の接続方式で、トンネル接続方式とも呼ばれています。
このPPPoEでインターネットに接続をする際には、ルーターやアダプターを準備する必要があります。回線内混雑が原因で通信速度が遅くなりやすいのも特徴です。
一方IPoEは、ネイティブ方式とも呼ばれ、接続するのに通信機器の準備は必要ありません。そのため、PPPoE接続方式と比べて、手間なくインターネットに接続することができます。
また、PPPoE方式とは異なる通信設備を経由しているため、回線の混雑を避けて、高速なインターネット通信をすることができます。
IPv4 over IPv6とは何か?
IPv6の方が便利な印象があるため、すぐにでも移行して、接続環境を良くしたいと思ったかたも多いのではないでしょうか。しかし、IPv6では従来のIPv4対応のサイトを見ることができない可能性があります。
今はまだIPv4からIPv6へ移行している最中で、IPv6に対応していないサービスが多くあるのも実情です。そこで考えられた技術が、IPv4 over IPv6です。
IPv4 over IPv6の技術があれば、IPv4とIPv6の両方のサイトに接続することができます。基本的な通信はIPv6が担い、その中にIPv4の技術を包み込んでいるため、可能となりました。
この技術は別名カプセル化とも呼ばれ、IPv6が非対応だったとしても、IPoE方式による高速通信が可能となります。
注意しなければならないのが、IPv4 over IPv6を利用するには、プロバイダーとルーターがIPv4とIPv6両方に対応していなければならないことです。
また、オプションサービスの申込みが必要となることも。光回線を利用していて不安定さを感じていたり、速度をもっと早くしたいと考えているのであれば、IPv4 over IPv6を検討してみてはいかがでしょうか。
